2010年 07月 09日
38.5cm × 17.5cm 材料:岩絵具.金属箔.膠.麻布 2009 昨年7月、東京のアートギャラリー閑々居での個展風景です。 画廊主人がこの作品に寄せてくだすったことばを紹介します。 「 春野のに すみれ摘みにと来しわれぞ 野を懐かしみ 一夜宿(ね)にける 」 山部赤人 歌心がおさまらず、野宿してしまう万葉びとの情動。 ビロードの闇の中で春の大地と同衾したいと願った切実な詩人の魂。 悠然と天地の呼吸に揺られています。 明日の予定は・・・・・・・・ 3年ぶりに見た作品に窓が開いたような印象を持ちました。 久野隆史は「ウエットな空気が必要でした。息がつまって、」といいます。 「好日」はシンボライズされた一本線の山ですが、霞たなびく優しい京都の山の姿。 なぜか万葉や古今につながる情緒がにじんでいます。作家の思惑と関係なく。 情緒が醸し出されるのはモチーフではなく、空気なのですね。 そして私は情緒という言葉には湿り気があることを発見しました。 彼が楽に呼吸ができるウェットな空気は地元にあったのです。 生まれ育って今も暮らす京都です。 「お約束情緒」の街だったことに何処かでこだわって無視してきたアイデンティティーでした。 ゆっくり気づいていった自信の「自然」です。 深めてきた思索や技術が自ずから導いてくれた画境だと思います。
by kunohan
| 2010-07-09 22:49
| works '09
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