KUNO Takashi

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2015年 12月 28日

静謐の峯






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この絵は、富山湾から望む劔岳をモデルに造形的に描いたものです。実は私は中学校に入ったときから、美術よりも山登りに夢中になり我武者羅に攀じ登っていました。その中でも、いつしかこの岩と雪と氷の劔岳に惹かれるようになりました。あらゆる自然現象の中で経験した怖さ、悲しみ。また、あちらに近づいたような美しい世界、至福感、達成感は、消えることなく私の身体にずっと残っています。

制作活動が中心となるにつけ登山からは遠ざかりましたが、そんな山で体験させてもらった感動をいつか描いてみたい想いが常に持ち続けておりました。でもその想いむなしくなかなか具現化に至りません。ようやく私の絵の中に山の象が自然に出てくるようになってきたのが、随分と時間が経った最近のこと。数年前から雨や雫などの絵を描きはじめていくうちに、自然に自分の作る絵の中に柔らかな山の象が出来てきたのには、自分でも静かな驚きを感じました。一条の雫は、月日を重ね大地を削り出し山の形が生まれてきます。私の絵も一条の雫の絵が動き出し、山の象へと導いてくれたのではないかと感じてきました。この絵も感動をどのように描いてあげれば私の感じた山の絵になるのか、まだまだ技量不足で描きたかった絵というところまでは至ってはいませんが、この一枚がきっかけでようやく次の山の表現へと一歩進められる確かなものを感じました。







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by kunohan | 2015-12-28 01:37 | works


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