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KUNO Takashi

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2013年 11月 11日

日常と絵


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かっては今より日常の空間には普通に絵がありました。
生活の中で自然に必要とされ、そして絵描きは多様に、適正な大小の絵を描いてきました。
お軸 巻物 屏風 扇子 団扇 短冊 襖 壁画 焼物絵付 版画 画帳 絵日記 着物意匠
室内装としてであったり、直接手にとり眺めるものであったり……
しかし今日では、おきまりの額縁に入り、絵を見る場所見せる場所のほとんどが公共の美術館やギャラリーとなりました。
その絵は広い空間に合わせどんどん大きくなり
両脇の絵に負けないぐらいのインパクトある強い絵を如何に表現するかを問うことが主流となっています。
それも今の表現であり絵描きとして表現する上で自然な流れの一つだと思いますが
そんな見に行くことでしか見れない大きすぎる絵は生活から遠のいて
どこか別世界の存在になっていることに少し考えるところがあります。
今みたいな時代だからこそむしろこれからは、日常に根ざした絵の表現や置き所がもっと大事になってくるのではないかと思います。
美術館でしか飾れないような定形サイズの大きな絵は日常空間には向いていません。
会社や学校のエントランスに飾れても、自宅に飾れないし飾りたいとは思わないです。 
季節の変わり目や来客によって絵を掛け替えたり
また、絵を掛け替えることで望む時空間を産み出して風韻を愉しんでいたり
物語や日記を画文一体で画帳や巻物に描かれたりと
もともと日本の絵は時間や空間をつくり、生活になくてはならない密接な関係にあったものです。
住宅環境の変貌もあるでしょうが、生活の中で絵との距離があることにとてもさみしく思います。
現代のスピードと経済の中では難しいのかもしれませんが
絵を見る方も描く方も日常で絵を嗜む愉しみがもっとほしいものだと
最近よく感じるようになりました。

by kunohan | 2013-11-11 00:55 | 雑感


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